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2005年01月25日

極端から極端へ

先週、山形県の天竜と尾花沢に出張して病院経営塾を卒業された2ヶ所の病院長から歓迎を受け、食事から宿まですっかりお世話になり感動した一日であった。東京から現地に入ると想像もできないくらいの寒さと積雪が1~2mもあり、温泉につかれば非日常体験が良い刺激と身心の疲れを大いに癒してくれるものであった。 しかし、その一方で現地の人にとっては屋根の危険な雪下ろしや雪かき、そして寒さや交通の不便さなどに見舞われ、我々部外者にはその大変さは理解できない。また、旅館では大変美味で豪華な食事と飲み物、贅沢な造りの建物や調度品家具、さらには温泉と至れり尽くせりのサービスは私が時に行く地方のひなびた湯治のための温泉宿とは両極端の内容ではあるが、ただ共通する点は迎えてくれる現地の心のこもった人々のサービスである。

医療機関においても急性期から慢性期、大中小病院と診療所の違いはあってもサービスをする職員たちの心が良い病院、悪い病院の評価を大きく左右するものである。

投稿者 noguchi : 09:22 | コメント (0) | トラックバック

2005年01月21日

年賀状に寄せて

近年情報のスピード化、デジタル化の影響で携帯電話やパソコンでのメールのやり取りが隆盛を極めているが、今年も年賀状は廃れていないようだ。
 さて、私も年賀状を300枚ほど書くが受け取る賀状は3倍にも及び返事が追いつかない。しかし、その多くは単に印刷しただけのものや一見手書きのようでありながら、パソコンで作られたもので本人の自筆や私だけに対する心のこもった短い言葉する見られないものが大半である。そのようなものははなはだ印象が薄く、返事を書く気にもなれない。
 郵政の民営化や合理化が叫ばれているが、このような虚礼を廃止しただけで相当な合理化ができるのではないだろうか。「便りのない便りは良い便り」とは言っても1年に一度は相手を思いやる気持ちを賀状に載せる大変素晴らしい文化であり、今後も廃ることはあるまい。私は年賀状は新年明けてから書くことにしている。前年度に書いて出し、正月一日に丁度届く形式を重んじるよりも新しい気持ちで心を込めて書きたいからである。

投稿者 noguchi : 10:15 | コメント (0) | トラックバック

2005年01月20日

病院経営の乗っ取り ケース3

第3のケースは地方の議員で且つ資産家が地域住民の要請で医療機関の誘致を懇願されたことをきっかけに子息を医大に入学させて自らが病院経営をすることに決めた。そして子息が卒業して修行を積み、入職する約10年をめどに院長兼理事長を他から招聘し、新病院をオープンした。そして土地、建物、設備の購入に多大な借金をし、その担保として金融機関から事務長を送ってもらい、看護師長に院長の腹心を入れ、5人の理事長兼社員の構成でスタートした。しかし、その後、更に金融機関出身の事務長ということで安心して経理を任せきりにし、印鑑を預けたために多大な使途不明の借金が行われ不審をいだいたオーナーは追及しだしたところ、身の危険を感じた事務長達はオーナー一族を理事と役員からはずした上で病院そのものを理事長に安い金額で売却して乗っ取ってしまった。オーナーは借金のみ背負わされ、経営権を失う結果となってしまったが、原因は安易に金融機関を信用したこと、医療法に暗かったこと、子息可愛さに安易な決断をしたことにある。無常の世界 人の心は常に変わることを知らねばならない。

投稿者 noguchi : 08:51 | コメント (0) | トラックバック

2005年01月17日

病院経営の乗っ取り ケース2

 第二のケースは理事長と理事長の2人の娘と医師である2人の娘婿、さらにその子供の2人の医師、そして他人である院長の8人の社員=理事で構成されている病院であるが、理事長が病気で亡くなった途端に臨時社員総会が開かれ、妹夫婦とその子供、そして非同族の院長の4人がまとまり、まだ若い妹夫婦の子供を理事長にしてしまった。その後、院長は以前に新理事長の教室の大先輩に頼りすぎたために院長は自分の後輩達を他大学出身者と入れ替え権力者にのし上がっていった。その上で、経営の長期的継続と公益性の確立という名目の元、特定医療法人にした上で、今まで牙を隠していた院長が新理事長として取って替わったのは言うまでもない。当然、今までの出資持分を有していた親族の経営権は消失し、一族は完全に排除される道が敷かれてしまった。  同族の経営は万全なようでも、兄弟姉妹が争ったのでは第三者の実力者に経営が移るのは必定である。前理事長が生前にはっきりと姉の子供で人柄も良く、バランス感覚の優れた副院長を後継者と指名すべきであったことが悔やまれる。

投稿者 noguchi : 10:24 | コメント (0) | トラックバック

2005年01月14日

病院経営の乗っ取り ケース1

 最近、医療経営環境が大変厳しくなる中で起きた病院経営が乗っ取られ、手遅れになって相談に来られた3つのケースについて報告したい。
 第一のケースは親族5人、他人で院長と事務長の2人合計7人の理事兼社員の構成であるが、初代の理事長が老齢かつ、病気で指揮が取れなくなり、長子が序列からいって新理事長に交代した。新理事長はヤル気と夢を持ってここ数年落ち込みの続く経営を立て直そうといろいろと改革に乗り出したが、院長と事務長が手を結び、急激な改革に不安を持つ親族の理事を巻き込み、一番力の弱い次男を理事長に立てて新理事長を追い出してしまった。そして、しばらくするうちに経営がさらに悪化したために総婦長を入れ替え理事とし、事務を完全に握られた上で、離婚した娘婿に理事長が移り、完全に一族の手から離れてしまい、法人の借金の保障のみが残った。親父の眼の黒いうちに継承をしなかったことが悔やまれる。

投稿者 noguchi : 15:50 | コメント (0) | トラックバック

2005年01月11日

老人施設の立地

 最近、私のところへ東京近郊の市街化調整地域で地主さんが 地提供をするから医療関連施設を是非誘致できないかという話が知人を通じて持ち込まれた。ちょうど私のクライアント先で医療施設か、建物が手狭でパーキングスペースも大巾に足りないことから移転先を考えておられたので、勇んで検分に出かけたのだが、即座にお断りした。すすめる地主も地主だが、隣接地が大規模な産業廃棄処理場であり、機械が土ぼこりをあげながら稼動中であり、静寂と清潔を旨とする医療機関にとっては誰がみても不適切な環境であることはわかりそうなものであろうにと大変腹立たしい一日であった。

 しかし、驚いたことに近隣にまだ新築間もない特養が建っており、老人の産廃ならぬ姥捨て山が連想され、地主や事業者の金の為には人間性を失ってしまう今日の世相に恐ろしさを感じた次第である。

投稿者 noguchi : 15:29 | コメント (0) | トラックバック