メールマガジン【医師のための禅】

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《 医師のための禅 》
その70
2005.9.06

 〜生死(しょうじ)〜
    
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 道元禅師は著 正法眼蔵第三十一巻 生死の巻に「生死の中に仏
 あれば生死なし。又、生死の中に仏なければ生死にまどわず」
 と述べている。

 生と死は人々の最も悩ましい根元的な問題であり、人はいかに
 それに捉われずに悠然として生きてゆくかを願うものである。
 人間(自分)の生死そのものが真理(仏)の実現(真実)=あ
 りであって、真理のほかに別に生死があるのではなく=なし 
 又、生死がそのまま真理であるから素直にそれに従うほかなく、
 生死に迷ったり執着したりして惑わされることもなくなる。生
 きているということはただ息をしているのではなく、生き生き
 と生きることである。生を生たらしめるのが仏にかなった生き
 方(仏道)であり、死に行く時は生に執着せず今ここの死にな
 りきることが死に際してあたふたとしない極意である。
 
 病人は病気の時は病人らしく病気から逃げずに病気と一つにな
 る。体を休める。そして医師の仕事は人のもっている本来の生
 命力 自己治癒力を最大に引き出すお手伝いをすることにほか
 ならない。これからの超高齢化社会にあって高齢者に対する医
 師の役割はいかに看取りの医療をより良く実践するかが問われ
 る。



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