メールマガジン【医師のための禅】

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《 医師のための禅 》
その69
2005.8.25

 〜般若波羅密〜
    
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 これは道元禅師 正法眼蔵の一巻であるが、これは釈尊を尊敬し
 愛する禅師が釈尊が説いたとされる般若心経について述べたも
 のである。般若波羅密とは六波羅密という修行で、布施、持戒、
 忍辱、禅定、精進、般若智(智慧)を行い続けてゆけば必ず悟
 りに至る。即ち
 色即是空 空即是色 色不異空 空不異色ということが体得で
 きると心経で示されている。色(そこに存在するもの)は空(
 実体はない)即ち常に変化し、且つそのものはその場でいろい
 ろな物(又は人)によってあらしめられているのである。不幸
 とか汚いというのは常識にとらわれた人間の見方であり、他か
 らみれば幸せや宝物にも見える。又、今ここにおいてとらえる
 ことのない無常無自性としてその物は存在する。これに対して
 道元禅師は色即色 空即空 と示し、その事物と出会った時は
 その事物と一体、空の時は空そのものになりきれと示し、修行
 する者に中途半端にならないよう徹底することを要求する。
 
 患者さんを診る時は患者さんだけ、家族と居る時は家族だけに
 という一体が極意である。



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