メールマガジン【医師のための禅】

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《 医師のための禅 》
その68
2005.8.19

 〜有は時なり〜
    
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 これは正法眼蔵「有時の巻」、道元禅師の空間と時間のとらえ
 方を示されたもので、いわゆる有時(うじ)は時すでにこれ有
 なり有は皆時なりと師は示して言われる。時すでに有。時とい
 うとき、生きている事実を伴わない時はない。有(空間)と時
 間は一つである。大宇宙の(動かすことができない事実)真理
 は常に変化し続け、ひと時として同じ状態にないということで
 ある。今ここの一点は有=時=ゼロである。ある時(有時)と
 いう言葉は時間がそのまま存在であり、存在はみな時間である。
 今患者さんを診ている時は患者さんを診るそのものである。
 
 歩んだ距離=速度×時間(L=V×T)で表される。今日社会が激
 変する時代において高い業績をあげている企業は総じて決断(
 T)が早く、行動(V)がダイナミックなところである。医療に
 おいても患者さんや地域、社会のニーズの変化にいち早くつか
 み(未来の今)、且つ大胆な行動(行ずる)が求められている。
 まだ先(L)は長い、まだ時間(T)はあるなどといった悠長な
 取り組みでなく、今(T)ここ(V)を一所懸命が勝ち組(L)の
 条件である。

 光陰矢の如し、人の一生は短い、人生の充実感も
 自己の実績(L)をどれだけ残したかが問われよう。



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