メールマガジン【医師のための禅】

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《 医師のための禅 》
その57
2005.5.19

 〜生なり全機現し死なり全機現〜
    
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  道元禅師の正法眼蔵 「全機の巻で語っているが、これは前
 回の不生不滅とも関連する。生きている時は生きているだけ、
 死のカケラもそこにはない。人は誰でも今、ここにしか存在し
 ない。今ここに自身の全てを投げ込んでそこに一つになり切れ
 ることを集中力というが、これを三昧の境地とも言う。医師に
 おいては患者さんと向き合っている時は患者さんと一体、患者
 三昧で自己(自我)を忘れる。これが優れた医師の条件である。
 
 
  しかしながら、一日に何十人も診る。そこでストレスを感じ
 る医師達の多くはアルコールやゴルフや親しい仲間とのつき合
 いに逃れて大半の時間を使ってストレスを解消しようとする。
 その結果、家庭や職場の仲間、地域の人々との関係がおろそか
 になり、返って人間関係でストレスを生じる結果を招く。家族
 や子供と一緒の時はそのことだけ、職場の仲間やチームと一緒
 の時はそこに一体、淡々と好き嫌いの感情を離れてひとつにな
 り切る。即ち心の失印があちこちに乱れず、三昧になることが
 ストレス解消の秘訣である。


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