メールマガジン【医師のための禅】

▼・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・▼
《 医師のための禅 》
その56
2005.5.06

 〜不生不滅〜
    
▲・━・━・━・━・━・━・━・ ━・━・━・━・━・━・━・━・▲

  道元禅師は現成公案の巻に「・・・人の死ぬる時、更に生と
 ならず、しがあるを生の死になるとならざるは仏法の定まれる
 ならいなり、この故に不生という。死の生にならざる法輪の定
 まれる仏転なり。この故に不滅という。生もひと時の位なり。
 死もひとときの位なり・・・。」
 
 普通、我々は今生きているのに死刑執行を待つ人のようにいつ
 死がやってくるのか、また死んだ生はどこへ行くかと思い悩み、
 心ここにあらず、今ここに生きている真実をおろそかにしがち
 である。死の時は一所懸命死と対峙すれば良いのであって、生
 の時は生そのものになり切って生き生きと生き、生かされるこ
 とが仏の心であり、仏の命そのものである。仏の命、いただい
 た身体を大切に、ということは仏の命を全うすることである。
 自身の持つ本来の自己の願い(医師であれば人の命を救う)に
 命を懸ける。人は誰でも与えられた1日24時間ただ食って寝てク
 ソをするだけでは決して心の満足は得られるものではない。

                                                     戻る