メールマガジン【医師のための禅】

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《 医師のための禅 》
その47
2005.2.01

〜達磨安心〜
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 これは無門関第41則にある大変難解な公案である。インドから
 中国へ仏教伝道の為に来た達磨大師に弟子入りしようとした慧
 可がなかなか入門を許されない。そこで慧可は覚悟して左腕を
 切ってその決心を示し、遂に入室を許されたのであるが、或る
 時彼は「私は不安で仕方がない。私の心を安心させて下さい。」
 と教えを師に問うた。それに対し師は「その悩んでいる心とや
 らいうものをここに持って来なさい。そうすればお前のために
 その心を安心させてあげよう。」と答えた。ところで彼はその
 不安な心を探すがどこにも見当たらない。師はそこで心が無け
 ればその心が悩むという悩みも無いのだから、お前のために私
 は心を安じてあげたよ。」と諭した。

 私たちは常に未来の出来事や人間関係に不安を覚え悩む。そし
 て堂堂巡りを繰り返す。ヘタな考え休むに似たりで考えるなら
 徹底して考え、不安の原因を極める。悩んでいる原因がはっき
 りしてくればそれに対して果敢に全身全霊で行動する。大抵の
 ことはこれで型がつく。問題から逃げたのでは問題はいつまで
 も追いかけて来る。忙しさにまぎれて自分を失うというのは自
 己を忘れる、換言すれば自我がなくなることではない。ただや
 みくもに行動すれば良いということでもない。爽快感より疲労
 感が残り返って悩む。そもそも不安で結果悩むということはそ
 のことに心がとらわれて発想に柔軟性が失われる結果、本来の
 良い知恵の出口が閉ざされる。そうならないためには発想を柔
 軟にする。例えばピンチも見方を変えればチャンスになる。こ
 の問題を解決すれば誰にもできない大きな成功を勝ち得ること
 になる。

 虎穴に入らずんば孤児を得ずの如く勇気が湧くものである。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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