メールマガジン【病院経営 存続から発展への道】

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《 病院経営 存続から発展への道 》

その104
2007.7.12

〜 医療 福祉 経営と禅 その11〜 

”ストレス解消と坐禅のすすめ ”

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医師や作家など人の命や心のひだを扱う職業人は一般的に他の職種の人達に比べ寿命が短い。また、医師においてはガンや精神病の専門医では同じ病気にかかる人が多い。原因としてウイルス説、派動説、ストレス説など定説は未だないが少なくとも患者さんの痛みや苦しみに同情や一体感を持ってしまう程、相手の気が自分に乗り移ってしまう。病気を治すのは患者自身であり医師はその手助けをするのが役割とすれば、医師はいわば病人のコンサルタントである。

例えば、経営コンサルタントにおいても然り、経営を立て直したり改善するのは経営者本人でありコンサルタントではない。そのためにはコンサルタントはある時はクライアントと一体となって悩んだり、苦しんだりしてその本質に迫る一方、その反面その泥沼から一歩離れて冷静になって解決の道を見つけることが求められる。クライアントは過去を引きずって未来の暗黒に恐れおののいて困惑している。即ちあるべき未来への道の今、ここを見失っている状況にある。今までの延長では確実に悪化する、そのためには想像上のありもしない未来を断ち切ることが、まず、コンサルタントの仕事である。

道元禅師は「たきぎは灰となる。更に帰りてたきぎとなるべきにあらず、たきぎはたきぎの法位に住して先あり後あり、前後ありと云えども前後際断せり」と示している。今ここの燃え盛るたきぎはそのものしかなく、たきぎには戻れず、又灰になるかどうかの保証はない。前後際断である。悩める者には今ここをどうしたいのか、それに対する命がけの覚悟と行動、燃え盛るたきぎしか真の解決の道はないのである。

 さて、病院経営者においては医療現場のストレスに加えてやりつけない不得意な経営をしなければならないというストレスが加わる。ストレス解消の一法として坐禅やヨガをお勧めする。坐禅はただひたすら坐って(只管打坐)ひととき、しがらみや我欲から来る不安や恐怖心の執着から離れる、解放することができる。正しい姿勢で坐り、長い呼吸を行う。その時、心のわだかまりを息に乗せて全て吐き出し、更に、空になった体に新鮮な空気(大宇宙の気)を吸い込む。この動作をはじめは3分、5分と行いやがて馴れてくると30分程度は誰でもできるようになる。ストレスは腹や心にため込むことにより起こる。食べ物で
も水分でも入れたものは汗や尿、便となって排出するのと同様、取り入れたものは必ず排出しなければ病気を引き起こす。坐禅の呼吸法が習慣になればストレスの解消をはじめ、物事に対する前後際断の体質が作られる。

道元禅師は坐禅儀の巻で「かくの如く心身を整えて欠気一息あるべし。兀兀(こつこつ)と坐定して思量箇不思量底なり。・・・坐禅は習禅にあらず、大安楽の法門なり、不汚汚の修証なり」と示している。「坐禅は禅を習うのではなく、ためになるとか悟ろうなどと思わず、坐る時はただ坐る、ハキ出す。これぞ大安楽への入り口である。」と。





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