メールマガジン 【病院経営 存続から発展への道】
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《 病院経営 存続から発展への道 》
その13
2003.08.25

〜医療は非営利 たてまえ論から本質論へ〜
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 非営利の概念は、たてまえでは配当の禁止であるが、現実 には多くの医療法人では経営陣が実質的に出資者であるため、 配当ではなく役員報酬という形で報いているのが現状である。 そして存続や更なる発展を目指す医療機関となるには、役員 報酬は自ずから一般企業並みの利益配分を行えば報酬限度は 決まってくる。即ち良い企業の利益の配分は、まず第一に税金という社会還元(価値ある商品の提供も含めて)を行い、 残った利益を第二に先行投資というお客さんへの還元を行い、 第三に従業員への賞与や次年度の賃金に対する還元を行う。 そして株主配当、役員賞与をしないで次年度の役員報酬とい う所得配分を行い、経営者への還元がなされるのである。悪 い医療機関や今後淘汰される病院は、この利益の配分の順序 が逆になっているところと断言できる。今や一般企業におい ては、企業生存30年の時代から、10年へとサイクルが短くな り、およそ10%の企業しか生き残れない時代である。今後は 医療機関、特に病医院においても同様な時代を迎えたといえ よう。利益は発展へのエネルギー、例えれば重い飛行機が飛 び続けるためのガソリンである。利益の大小は、お客さんか ら支持されているかどうかのあかしであり、バロメーターである。

 まさに今、医療機関の経営者(家族も含め)は襟を正し、 地域における振る舞い、患者さんへの態度、そして従業員に 対する生活保障の責任など、真剣に取り組み、経営者エゴか ら真の社会的公益へと努力してゆくことが求められている。 今こそ病院を医療法人にしたからといって、家のためのなり わい、いわゆる家業的経営から企業的経営にならなければな らない。



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